大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)979 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人瀬戸藤太郎の上告趣意は、末尾に添えた書面記載のとおりである。

所論は、原判決は被告人の主張した量刑不当の控訴趣意を排斥して第一審判決の

科刑を是認したが、被告人についてはその刑の執行を猶予すべき事情があるのであ

るから、これに対し実刑を科した第一審判決の科刑を是認した原判決は、憲法三七

条に違反する不公平な裁判所の裁判であるというのである。しかし、憲法三条一項

にいわゆる「公平な裁判所の裁判」とは、偏頗や不公平のおそれのない組織と構成

をもつた裁判所の裁判を意味するものであつて、個々の事件につきその内容実質が

具体的に公正妥当な裁判をさすものでないことは、すでに当裁判所の判例とすると

ころである(昭和二二年(れ)第一七一号同二三年五月五日宣告、同二二年(れ)

第四八号同二三年五月二六日宣告各大法廷判決)。従つて、原判決が被告人に対し

実刑を科した第一審判決について量刑不当の控訴趣意を排斥したからといつて、所

論のようにこれを目して同規定に違反するものとすることはできない。それゆえ、

論旨は理由がない。

よつて、刑訴四〇八条に従い、裁判官全員一致の意見により主文のとおり判決す

る。

昭和二六年二月二〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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